署名付き PDF を、どこにも送らずに確認する
PDF の電子署名は、狭い問いにきちんと答えます。「署名が覆っているバイトは、署名以降に変わったか」です。PDF 署名インスペクターはその問いと、さらに三つの問いにブラウザー内で答えます。
完全性
署名辞書の /ByteRange は、署名が覆うファイルの範囲 — /Contents の 16 進ブロブ自身を除く全体 — を示します。ツールはその範囲を連結し、PKCS#7 SignedData に記されたアルゴリズムで Web Crypto API を使ってハッシュし、内部に封じられた messageDigest 属性と比較します。これはファイル作成者が書き込んだ状態フラグを読むのではなく、本物の暗号学的検証です。
カバー範囲 — 別の問い
ファイルは完全性検証に通りながら、署名後に変更されていることがあります。PDF は増分更新を許すため、署名範囲の後ろに追記されたバイトは署名からは見えません。そこでツールは、/ByteRange がファイル末尾まで届いているか、その後に何バイト続いたか、この署名が実際にどのリビジョンを覆っているかも報告します。この二つを混同することが、署名付き PDF を読み違える最も多い原因です。
証明書
サブジェクト、発行者、シリアル番号、有効期間、公開鍵のアルゴリズムと長さ、証明書の署名アルゴリズム、SHA-256 フィンガープリント。さらに自己署名かどうか、現在期限切れかどうか、そして署名した時点で有効だったか — 何年も前の署名ではこの日付こそが重要です。ブロブに埋め込まれたチェーン全体を一覧し、どの証明書も .cer(DER)または .pem として書き出せます。
分からないこと
信頼性です。ブラウザーのタブにトラストストアはないため、発行者が広く認められた認証局だとはここでは何も言えません。失効確認も行わず(CRL も OCSP もなし)、署名の翌日に失効した証明書でも健全に見えます。埋め込まれた RFC 3161 タイムスタンプは報告しますが検証しません。これらの限界は結果のすぐ隣にも表示されます。
認証署名
署名が DocMDP 変換を持つ場合、権限レベルを解読します。変更禁止、フォーム入力可、フォーム入力+注釈可のいずれかです。後の編集が認証を正当に破るかどうかは、これで決まります。
プライバシー
署名付き文書はたいてい契約書です。ファイルはブラウザー内で解析・ハッシュされ、アップロードは一切ありません。
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